記事内に広告が含まれています。

【野球】タンキングとは?

タンキングとは、MLB(メジャーリーグ)ではしばしば行われてる球団運営手法。球団の主力選手を一気に放出し、翌シーズンの優勝を諦めて、チーム再建や若返りを図ること。

低迷チームの再建だけでなく、優勝チームも若返りのために高齢の主力選手を放出したり、複数の高額年俸選手を躊躇なく放出するなど、様々な球団事情によって行われる。

【スポンサーリンク】

タンキングとは?

タンキングとは、スポーツチームの主力選手を放出して優勝争いを諦め、チームの再建や若返りを図ることです。

タンキングを行うチームは、優勝争いを諦めていますトレードで主力選手を放出する代わりに有望な若手選手を獲得して出場機会を積ませたり、シーズン成績が下位なのでドラフトで優先的に期待の新人選手を獲得できるため、数年後のシーズンで優秀な成績を収めることを目標としています。

MLB(メジャーリーグ)だけでなく、バスケットボールのNBA(ナショナル・バスケットボール・アソシエーション)、アメリカンフットボールのNFL(ナショナル・フットボール・リーグ)、アイスホッケーのNHL(ナショナルホッケーリーグ)でしばしば行われています。

尚、タンキング自体はMLB発祥ではなく、最初に実践したのはNBAのヒューストン・ロケッツです。
1983年~1984年のシーズンで、シーズン開始後に優勝争いを諦め、レギュラー選手を下げて控え選手を使うようになります。その結果、自然とシーズン順位を下げたことにより、ドラフト指名で優先順上位となり、有望選手の獲得に成功しました。
【スポンサーリンク】

タンキングが成立する仕組み

タンキングは、スポーツリーグの仕組みによって成立するものです。

特にアメリカのスポーツリーグでは、

  • チーム自体に昇格・降格が無い(欧州サッカーやJリーグのような昇降システム)
  • リーグ成績下位チームがドラフト指名順で優先権を獲得

がタンキングが成立する大きな要因となっています。

サッカーの場合、昇格や降格のシステムを採用しているリーグが圧倒的に多く、下部リーグに降格してしまうと、人気が落ちて動員観客数が減少することはもちろん、放映権料やスポンサー料が大きく減少してしまうので、選手の年俸にも大きく影響してしまいます。そのため、サッカー選手とチームは必死になって勝ち残ろうとします。

しかし、アメリカのスポーツリーグは昇格・降格のシステムを採用していないため、どれだけ負けても問題がありません。もちろん、人気は下がり動員観客数は低下しますが、それで放映権料が減ったりスポンサーが一斉に降りたりすることは、そうそうありません。

なので、シーズン途中で優勝争いから脱落してしまうと、敢えて控え選手をバンバン使うようになり、若手の経験を積ませつつ、チーム成績下位でもドラフトでの優先権を獲得できます。

【スポンサーリンク】

タンキングのメリット

タンキングのメリットとしては、

  • 高額年俸選手の放出によりコストが圧縮できる
  • 若手選手や他チームの控え選手の出場機会が増える
  • 数年後の優勝を目標としているため、補強ポイントを絞りやすい

があげられます。

今すぐには優勝できませんが、数年後に優勝を見据えているので、各シーズンどれくらいの戦力を整えれば良いのかが見えやすくなります。

【スポンサーリンク】

タンキングのデメリット

タンキングにはメリットだけではなく、デメリットも存在します。

  • チーム再建中は勝てないのでライトなファンが離れる
  • 勝てない試合が多いため観戦者数が低下する
  • 球場全体の収益(飲食代やグッズ代など)が落ちる
  • 再建失敗の場合、負のスパイラルに陥り、チーム格差が広がる
  • 公正かつ真剣勝負が見られない

があげられます。

他にも、スター選手が育って高額年俸になってしまった場合、タンキングの実績のあるチームは遠慮なく放出することが考えられます。

ただ、アメリカスポーツの文化としては、他チームへの移籍は普通なのでファンや選手の心理としてはそれほど大きなものは無いとも考えられます。

経営的にはタンキングのメリットがデメリットを上回るので、タンキングを実施しているのだと考えられますが、タンキングの方針でチーム運営を行うと、ファンからすると真剣な勝負が見られず、チームはおろか、そのスポーツのファンを辞めてしまうかもしれません。チーム経営よりも、ファンがスポーツから離れることが最大のデメリットだと考えられます。

【スポンサーリンク】

関連記事

【野球】ノンテンダーとは?戦力外とはどう違う?
ノンテンダーとは、プロ野球において、球団が選手に対し、来シーズンの契約を提示しないこと。 選手の成績と年俸に見合わないため、戦力外とは言えず、年俸を下げれば再契約する場合もある。