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【野球】赤星式盗塁とは?

赤星式盗塁とは、足のスペシャリストである元阪神タイガース・赤星憲広氏が提案して、ネット上で赤星氏が知らない間に勝手に考案された盗塁指標のこと。

ネット上(というかなんj)のネタでもある。

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赤星式盗塁とは?

赤星式盗塁は、元阪神タイガース・赤星憲広氏が考えていた盗塁に関する問題提起を、ネット上(なんj)で勝手に考案して指数っぽい何かにしたものです。

盗塁の成功数だけでなく、失敗数にも着目したもので、

  • 成功するとチャンスが拡大する(メリット)
  • 失敗するとアウトカウントが1つ増える(デメリット)
  • 失敗すると走者を失う(デメリット)

ということから、盗塁は失敗した時の方が損失が大きいと述べています。

また、赤星氏は、盗塁失敗によって試合の流れが変わってしまう(攻撃の勢いが低下する等)こともあり、盗塁で貢献するには成功率7割以上が必要とした上で、盗塁を10回成功しても、その間に5回失敗した場合、盗塁を試みない方が良いと主張しています。

これら赤星氏の発言を元に勝手に考案されたのが赤星式盗塁という指標です。

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赤星式盗塁の計算式

赤星式盗塁の計算式はとてもシンプルです。

【赤星式盗塁の計算式】

赤星式盗塁数 = 盗塁数 − (盗塁死数 × 2)

成功数よりも失敗数の方が試合展開に大きく影響するということから、成功数から失敗数×2を引き算するという誰でも簡単に計算できる式になっています。

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赤星式盗塁の算出による赤星氏の盗塁成績

赤星憲広氏の各年度盗塁数および赤星式盗塁数です。

年度 盗塁数 盗塁死数 赤星式
盗塁数
備考
2001 39 12 15 セ・リーグ盗塁王
2002 26 7 12 セ・リーグ盗塁王
2003 61 10 41 セ・リーグ盗塁王
2004 64 12 40 セ・リーグ盗塁王
2005 60 12 36 セ・リーグ盗塁王
2006 35 13 9
2007 24 8 8
2008 41 9 23
2009 31 5 21
通算 381 88 205

確かに、赤星氏の盗塁成功率は高いことが分かります。通算でも赤星式盗塁数で205をたたき出しています。

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通算&シーズン盗塁数トップ10を赤星式盗塁で算出

盗塁の通算成績とシーズン成績トップ10を赤星式盗塁で算出してみました。

通算盗塁数トップ10
順位 選手 盗塁数 盗塁死数 赤星式
盗塁数
備考
1 福本豊 1065 299 467 赤星式盗塁通算1位
2 広瀬叔功 596 123 350
3 柴田勲 579 193 193
4 木塚忠助 479 114 251
5 高橋慶彦 477 206 65
6 金山次郎 456 151 154
7 大石大二郎 415 131 153
8 飯田徳治 390 161 68
9 呉昌征 381 81 219 盗塁数9位同数
9 赤星憲広 381 88 205 盗塁数9位同数

通算盗塁数では、世界の盗塁王・福本豊氏が圧倒的です。高橋慶彦氏と飯田徳治氏は盗塁数が多いですが、盗塁死数も多いので、赤星式盗塁では一気にスコアを落としています。

シーズン盗塁数トップ10
順位 選手 年度 所属 盗塁数 盗塁死数 赤星式
盗塁数
備考
1 福本豊 1972年 阪急ブレーブス 106 25 56
2 福本豊 1973年 阪急ブレーブス 95 16 63 赤星式盗塁シーズン1位
3 福本豊 1974年 阪急ブレーブス 94 23 48
4 河野旭輝 1956年 阪急ブレーブス 85 29 27
5 木塚忠助 1950年 南海ホークス 78 8 62
6 松本匡史 1983年 読売ジャイアンツ 76 16 44
7 福本豊 1970年 阪急ブレーブス 75 15 45
8 金山次郎 1950年 松竹ロビンス 74 13 48
9 高橋慶彦 1985年 広島東洋カープ 73 18 37
10 広瀬叔功 1964年 南海ホークス 72 9 54

シーズン記録は福本豊氏が圧倒的ですが、赤星式盗塁で算出したシーズン記録では福本豊氏が63、木塚忠助氏が62と僅差です。

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MLBの通算&シーズン盗塁数トップ10を赤星式盗塁で算出

MLB(メジャーリーグ)の通算盗塁数とシーズン盗塁数を赤星式盗塁で算出してみます。ただし、盗塁死数については一部不明な選手があるため、あくまでも参考値となります。

MLB通算盗塁数トップ10
順位 選手 盗塁数 盗塁死数 赤星式
盗塁数
備考
1 リッキー・ヘンダーソン 1406 335 736 赤星式盗塁通算1位(暫定)
2 ルー・ブロック 938 307 324
3 ビリー・ハミルトン 914 盗塁死数不明
4 タイ・カッブ 897 212 473 一部の年度で盗塁死数不明
5 ティム・レインズ 808 146 516
6 ビンス・コールマン 752 177 398
7 アーリー・レイサム 742 盗塁死数不明
8 エディ・コリンズ 741 195 351 一部の年度で盗塁死数不明
9 マックス・キャリー 738 109 520 一部の年度で盗塁死数不明
10 ホーナス・ワグナー 723 26 671 一部の年度で盗塁死数不明

昔の選手は盗塁死数がカウントされていない年度があるため、ほぼ参考値となりますが、リッキー・ヘンダーソン氏が圧倒的なのが分かります。

MLBシーズン盗塁数トップ10
順位 選手 年度 所属 盗塁数 盗塁死数 赤星式
盗塁数
備考
1 リッキー・ヘンダーソン 1982年 オークランド・アスレチックス 130 42 46
2 ルー・ブロック 1974年 セントルイス・カージナルス 118 33 52
3 ビンス・コールマン 1985年 セントルイス・カージナルス 110 25 60
4 ビンス・コールマン 1987年 セントルイス・カージナルス 109 22 65
5 リッキー・ヘンダーソン 1983年 オークランド・アスレチックス 108 19 70
6 ビンス・コールマン 1986年 セントルイス・カージナルス 107 14 79 赤星式盗塁シーズン1位
7 モーリー・ウィルス 1962年 ロサンゼルス・ドジャース 104 13 78
8 リッキー・ヘンダーソン 1980年 オークランド・アスレチックス 100 26 48
9 ロン・ルフロア 1980年 デトロイト・タイガース 97 19 59
10 タイ・カッブ 1915年 デトロイト・タイガース 96 38 20 盗塁数10位同数
10 オマー・モレノ 1980年 ピッツバーグ・パイレーツ 96 33 30 盗塁数10位同数

通算成績の赤星式盗塁ではリッキー・ヘンダーソン氏が圧倒的でしたが、シーズン成績の場合、赤星式盗塁では1986年のビンス・コールマン氏が79、1962年のモーリー・ウィルス氏が78です。

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イチロー氏&松井稼頭央氏の赤星式盗塁成績

イチロー氏と松井稼頭央氏は、NPBとMLB(メジャーリーグ)で著しい盗塁成績を残していますので、NPBとMLBの通算盗塁数を計算してみます。

イチロー氏の各年度盗塁数と赤星式盗塁数
年度 盗塁数 盗塁死数 赤星式
盗塁数
備考
1992 3 2 -1
1993 0 2 -4
1994 29 7 15
1995 49 9 31 パ・リーグ盗塁王
1996 35 3 29
1997 39 4 31
1998 11 4 3
1999 12 1 10
2000 21 1 19
2001 56 14 28 ア・リーグ盗塁王
2002 31 15 1
2003 34 8 18
2004 36 11 14
2005 33 8 17
2006 45 2 41
2007 37 8 21
2008 43 4 35
2009 26 9 8
2010 42 9 24
2011 40 7 26
2012 29 7 15
2013 20 4 12
2014 15 3 9
2015 11 5 1
2016 10 2 6
2017 1 1 -1
2018 0 0 0
2019 0 0 0
NPB通算 199 33 133
MLB通算 509 117 275
通算 708 150 408

イチロー氏の日米通算通算盗塁数は708盗塁で、日米通算赤星式盗塁数は408。NPBの赤星式盗塁数の通算では福本豊氏に次いで2位となります。

松井稼頭央氏の各年度盗塁数と赤星式盗塁数
年度 盗塁数 盗塁死数 赤星式
盗塁数
備考
1995 21 1 19
1996 50 9 32
1997 62 15 32 パ・リーグ盗塁王
1998 43 14 15 パ・リーグ盗塁王
1999 32 7 18 パ・リーグ盗塁王
2000 26 3 20
2001 26 0 26
2002 33 11 11
2003 13 10 -7
2004 14 3 8
2005 6 1 4
2006 10 1 8
2007 32 4 24
2008 20 5 10
2009 19 3 13
2010 1 1 -1
2011 15 3 9
2012 14 3 8
2013 1 1 -1
2014 9 0 9
2015 14 2 10
2016 3 0 3
2017 0 1 -2
2018 1 0 1
NPB通算 363 80 203
MLB通算 102 18 66
通算 465 98 269

松井稼頭央氏の成績も著しいもので、日米通算盗塁数は465、日米通算赤星式盗塁数は269で、福本豊氏、イチロー氏、広瀬叔功氏に次いで4位となっています。

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一般的に認知されつつある赤星式盗塁

先述した様に、元ネタはインターネット上のネタだったのですが、あろうことか、一般的なコラムとしても取り上げられることが多くなっています。

2015年10月10日のWEB版産経新聞で公開された『走れぬ大砲が野球をつまらなくする? 「トリプル3」どころか「40本-40盗塁」を追う大リーガーを見習え』という記事で、

以前、ネット掲示板で考案されて話題になった「赤星式盗塁指標」というユニークな物差しがある。

走れぬ大砲が野球をつまらなくする? 「トリプル3」どころか「40本-40盗塁」を追う大リーガーを見習え|産経新聞より引用

という内容で書かれてしまいました。全国紙がインターネット上の掲示板で取材とは、とても楽な仕事でお給料を貰っているんですね。

また、ベースボールチャンネルがコラムとして公開してしまいました。

価値ある盗塁王は誰だ! ”赤星式盗塁” で見る歴代盗塁ランキングトップ10、2020年ランキングトップ5は? | ベースボールチャンネル
シーズンで最も盗塁を決めた選手が受賞する”盗塁王”のタイトル。2020年パシフィック・リーグでは50盗塁をマ

産経新聞は利権の温床と化してるのでどうなろうと知ったことではありませんが、ベースボールチャンネルさんは大丈夫なのか心配です。