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【将棋】タイトルの永世称号を獲得する条件は?永世称号獲得棋士も紹介!

将棋界では、タイトルを一定回数獲得すると、永世称号という特別な称号を獲得できます。

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永世称号とは?

将棋における永世称号とは、同じタイトルを一定回数獲得した棋士に与えられる称号です。

例えば、同じタイトルを5年連続で獲得すると、永世○○という称号を獲得できます。

将棋をあまりご存知ない方向けに説明すると、殿堂入りとほぼ同じ意味で考えて頂いても問題ありません。それくらい凄い事です。

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永世称号と獲得条件

各棋戦で永世称号の規定は異なります。

開催中の棋戦

永世称号 棋戦 条件
永世竜王 竜王戦 連続5期 or 通算7期
永世名人 名人戦 通算5期
永世王位 王位戦 連続5期 or 通算10期
永世叡王 叡王戦 通算5期
名誉王座 王座戦 連続5期 or 通算10期
永世棋王 棋王戦 連続5期
永世王将 王将戦 通算10期
永世棋聖 棋聖戦 通算5期
名誉NHK杯選手権者 NHK杯 通算10回優勝

タイトルを獲得するだけでも非常に難しいのですが、その中でも永世棋王は永世称号の獲得条件が連続5期に設定されています。

なぜ、永世棋王だけ連続5期でハードルが高いのかと言うと、大山康晴が米長邦雄に永世称号を与えたくなかったから…と言われていますが、それは定かではありません。

ただし、当時の日本将棋連盟の会長・大山康晴が永世棋王の条件を連続5期にしたこと、米長邦雄が連続5期で棋王を獲得できなかったこと、という事実だけは残っています。

ちなみに、タイトル戦以外の一般棋戦だと、NHK杯が通算10回の優勝で、名誉NHK杯選手権者という永世称号を獲得できます。

また、アマチュアや女流棋士も参加可能な棋戦もあるので、永世称号獲得の条件を満たせば、アマチュアや女優棋士でも永世称号を獲得することが可能…はなずですが、日本将棋連盟がそれを許可しているのか不明ですし、そもそもそれくらいの強さがあれば、プロ棋士になることができます。

終了棋戦

永世称号 棋戦 条件
永世九段 九段戦 連続3期
永世十段 十段戦 通算10期

九段戦・十段戦は竜王戦の前身で、現在は開催されていませんが、棋戦が終了しても永世称号は消滅しないので、終了棋戦の永世称号獲得者であれば、永世称号を名乗ることが出来ます。

女流棋戦

女流棋戦にも永世称号があります。

永世称号 棋戦 条件
クイーン清麗 大成建設杯清麗戦 通算5期
永世女王 マイナビ女子オープン 連続5期or通算7期
クイーン王座 リコー杯女流王座戦 通算5期
クイーン名人 女流名人戦 通算5期
クイーン王位 女流王位戦 通算5期
クイーン王将 女流王将戦 通算5期
クイーン倉敷藤花 大山名人杯倉敷藤花戦 通算5期

尚、ヒューリック杯白玲戦は2020年に新設されたばかりの女流タイトル戦のため、永世称号は設定されていません。

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永世称号資格保持者

現役棋士

棋士 規定達成永世称号
羽生善治 永世竜王
十九世名人
永世王位
名誉王座
永世棋王
永世王将
永世棋聖
名誉NHK杯選手権者
谷川浩司 十七世名人
森内俊之 十八世名人
佐藤康光 永世棋聖
渡辺明 永世竜王
永世棋王

羽生善治さんは永世七冠ですが、NHK杯でも永世称号を獲得しているため、永世八冠とも言われています。

ちなみに、羽生善治さんは王座を19連覇しているので、この期間で3回も名誉王座を獲得しているだけでなく、2012年から2016年も5連覇しており、合計4回の名誉王座を獲得しています。次の名誉王座が登場する前に、もう一度、王座を5連覇するか10期獲得で名誉王座の名誉王座になります。

引退棋士

棋士 規定達成永世称号
木村義雄 十四世名人
塚田正夫 永世九段
大山康晴 十五世名人
永世九段
永世十段
永世王位
永世王将
永世棋聖
中原誠 十六世名人
永世十段
永世王位
名誉王座
永世棋聖
米長邦雄 永世棋聖

女流棋士

女流棋士 規定達成永世称号
林葉直子 クイーン王将
中井広恵 クイーン名人
清水市代 クイーン名人
クイーン王位
クイーン王将
クイーン倉敷藤花
里見香奈 クイーン名人
クイーン王位
クイーン王将
クイーン倉敷藤花

ちなみに、林葉直子さんは日本将棋連盟を退会しているので、永世称号を名乗る資格を失っています。

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いつから永世称号を名乗れるのか

永世称号は原則として棋士を引退した後に名乗ることが許されます。

ただし、名誉王座だけは、満60歳になると名誉王座を名乗れます。現役・引退は関係ありません。

しかし、実際に、現役中に永世称号を名乗っている棋士がいないわけではありません。

塚田正夫九段は、竜王戦の前身(十段戦)の前身である九段戦で、九段のタイトルを3期獲得したことによって、現役中に九段という永世称号を名乗っています。

1952年~1955年までタイトル・九段を連覇しており、1954年に永世九段位を獲得。その後、1956年にタイトル・九段を失冠しましたが、永世称号の九段を名乗ります。
少しヘンテコ話ですが、九段という段位が設定されたのは1958年で、それまでの最高段位は八段だったので、1957年には塚田正夫さんと升田幸三さんの二人が九段を名乗れたわけですが、升田幸三さんは名人位を1957年~1958年に獲得しているので、当時の九段は塚田正夫さんだけでした。

盤外戦術で有名な大山康晴十五世名人は、1973年に中原誠との王将戦に敗れて、無冠に転落しましたが、特例で永世王将を現役のまま名乗ることが認められています。1976年にも現役のまま、名人の永世称号である十五世名人を名乗っています。

これは特例中の特例で、 大山康晴さんが将棋界の一時代を築いた実績(タイトル獲得80期)を持っており、多くの棋士が称号無しの「大山九段」と呼ぶことに対して恐れ入るため、日本将棋連盟が配慮して永世称号を名乗ることを許可しています。

突撃で有名な中原誠十六世名人も大山康晴さんと同様の理由で、1994年に前名人の肩書が失われる際に、十六世名人を襲位するかどうかが話し合われましたが、十六世名人はいったん保留となり、代わりに現役のまま永世十段を名乗ることが認められます。

その後、2007年9月2日に60歳になったので名誉王座を、2007年11月17日には十六世名人を、2008年4月1日には永世棋聖永世王位を名乗ることが認められます。

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