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ハム太郎にみる現代日本の末路

とっとこハム太郎というアニメ、これ、現代日本の末路を示しているのではないかと個人的に考えています。

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ロコちゃんの習慣

ハム太郎のエンディングに入る前に、ロコちゃん(春名ヒロ子氏)がハム太郎に対して毎回同じ言葉を言います。

ロコちゃん、日記をつけて、一日を振り返り、次の言葉をハム太郎に言ってから就寝します。

「今日はとっても楽しかったね。明日はもっと楽しくなるよね、ハム太郎。」

毎日欠かさず日記をつけているという習慣だけで凄いのですが、問題は上記の言葉。

明日はもっと楽しくなる

これが現代日本そのものだと言えます。

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「明日はもっと」という際限がない欲望

「明日はもっと」という言葉ですが、今日よりも明日が楽しい、つまり明日は今日よりも右肩上がりの成果を求めていると解釈出来ます。

現代の資本主義、特に大企業となると、株主から常に利益を出し続けること、そして、来期は今期以上の成果を求められているというのが常態化しています。

サラリーマンもそうです。ノルマを達成したら、新しいノルマが待っています。そして、次のノルマは更に上のノルマに設定されます

 

日本の年功序列という構造が、常に最高利益を出す必要があるという仕組みになっています。株主的には利益が下がると損しないところ、もしくは最小損失で株式を売却してしますので、企業側は常に利益を出し続ける必要があります。となると、去年よりも今年は利益を上げる必要がありますし、来年は今年以上の利益を上げる必要が出てきます。

ハム太郎という小学生向けのコンテンツでは、上記の様なことは言及されることが無いと思いますが、暗に「常に上昇する必要がある」と刷り込んでいるとも言えるでしょう。

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停滞は後退であるという戒め

ロコちゃんの発言の本質を考えると、「停滞は後退である」ということでしょう。

つまり、現状維持で満足していてはダメで、常に上昇志向である必要があり、上昇志向という意識高い系ではなく、行動と結果を求めています。

自分への戒めだけであれば良いのですが、それをハム太郎に同意を求めているかの様に話しかけています。「明日はもっと楽しくなるよね、ハム太郎。」という言葉は優しいですが、一歩間違えれば、他者への強要になりかねません。

サラリーマンで置き換えてみると、上司が、

「今月のノルマは達成できたな!この調子だったら、来月は今月以上に契約取って来れるな!」

と部下に強要している様なものです。

繁忙と閑散の波がある業界であれば、繁忙期が過ぎた時に上記の様なことを言われたら地獄でしょう。また、年間安定して利益を出していても、マーケット的にピークを超えて衰退に入った時にそんなことを言われたらたまったものではありません。

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ロコちゃん、楽しくない日もあるよ

毎年のように最高利益を出せる会社が世界にどれだけ存在するでしょうか?栄枯盛衰は世の常ですので、常に右肩上がりの成果を出すことは出来ません。

たかがアニメ、たかが架空の世界と言えども、この様に常に右肩上がりの成果を求めるということを小さい子が刷り込まれていると、大人になった時に「話が違う」という事になりかねません。私がそうなりました。