
プロ野球(NPB)にはトレードという制度があります。基本的には選手と選手の交換トレードによって、チームの戦力補強を行います。
ただし、このトレードですが、いつでも行えるというわけではありません。ある特定の期間だけトレードが可能です。
プロ野球におけるトレード可能な期間
プロ野球(NPB)でトレード可能な期間については、トレード可能期間は、日本プロフェッショナル野球協約第108条で定められています。
第13章「選手契約の譲渡」
第108条(譲渡可能期間)
選手契約の譲渡が許される期間は、年度連盟選手権試合シーズン終了の翌日から翌年7月31日までとする。ただし、この協約に基づくウエイバーの請求による選手契約の譲渡に関してはこの限りでない。
セ・リーグとパ・リーグのクライマックスシリーズが終了した翌日から、翌年7月31日までと考えると分かりやすいでしょう。
ただし、ウエイバー公示されている選手については、トレード禁止期間でもトレードが可能です。
トレード期限は7月31日
プロ野球(NPB)の通常のトレード期限は、原則として毎年7月31日です。これは特例措置がない限り固定です。
7月31日までは球団間で選手契約を譲渡できますが、8月1日以降は、年度連盟選手権試合シーズンが終了するまで通常のトレードを行えません。
NPBも7月31日の終了時に、翌8月から連盟選手権試合シーズン終了の翌日まで、ウエイバー請求を除いて支配下選手契約の譲渡と受け入れができないと案内しています。
したがって、シーズン中に行う交換トレードや金銭トレードについては、7月31日が実質的な締め切りとなります。
なお、7月31日は、新たに選手と支配下選手契約を結べる期間の最終日でもあります。つまり、シーズン中に育成選手を支配下契約に切り替える期限も7月31日というわけです。
トレード可能期間はいつから始まる?
シーズン終了からトレードが可能
トレード期限の7月31日は固定されていますが、トレード可能期間の開始日は毎年変わります。
野球協約では、開始日を特定の日付ではなく、年度連盟選手権試合シーズン終了の翌日と定めているためです。
レギュラーシーズン終了翌日ではない
ここで注意したいのが、「年度連盟選手権試合シーズン終了」は、レギュラーシーズン全日程の終了だけを指すわけではないという点です。
NPBが公開しているクライマックスシリーズに関するアグリーメントでは、年度連盟選手権試合は、レギュラーシーズンとクライマックスシリーズから構成されると定められています。
したがって、レギュラーシーズンが終了しても、クライマックスシリーズが開催されている間は、通常のトレード可能期間には入りません。
一般的には、両リーグのクライマックスシリーズがすべて終了した翌日から、通常のトレードが再び可能となります。
この制限がない場合、クライマックスシリーズに出場可能なペナントレース上位3チームと、クライマックスシリーズに出場しないペナントレース下位3チームのトレードが可能になってしまいます。
NPBのトレード可能期間は、次のように循環します。
| 前年のCS 終了翌日 |
日本シリーズ オフシーズン |
レギュラー シーズン開幕 |
7月31日 | 8月1日 | ペナント終了 | CS終了 | CS翌日 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| トレード可能期間 | 原則トレード不可 | 再び可能 | |||||
※クライマックスシリーズの終了日は年度によって異なります。ウエイバー請求による選手契約の譲渡は、期間制限の例外です。
8月1日以降は絶対に移籍できない?
野球協約第108条では、ウエイバー請求による選手契約の譲渡について、通常の譲渡可能期間の例外としています。
したがって、8月1日以降の選手移籍がすべて禁止されているわけではありません。
ただし、ウエイバーによる譲渡は、球団同士が通常行う交換トレードや金銭トレードとは異なる手続きです。
特例措置
基本的には、日本プロフェッショナル野球協約の第13章・第108条に記載がある通りですが、2020年は新型コロナの影響で、2021年はオリンピック開催の都合上、特例措置が設けられました。
2020年の場合、プロ野球の開幕が6月19日にずれ込み、試合数も120試合に減少。その関係もあり、トレード期間は2020年9月30日まで延長となりました。
2021年の場合、東京オリンピックの競技に野球が含まれており、7月27日~8月10日までの間、公式戦が中断となっていました。そのため、トレード期間は2021年8月31日まで延長となりました。
補足:日本シリーズ中でもトレードは可能?
クライマックスシリーズが終了すると、年度連盟選手権試合シーズンも終了するため、その翌日からトレード可能期間に入ります。
日本シリーズはその後に行われるため、日本シリーズ開催中でもトレードは可能です。
実際に2008年11月6日には、福岡ソフトバンクの大村直之選手と、オリックス・バファローズの村松有人選手の交換トレードが公示されています。2008年の日本シリーズ開催期間中(読売ジャイアンツvs埼玉西武ライオンズ、2008年11月1日~11月9日)に行われたトレードの一例です。
ただし、日本シリーズ中に獲得した選手を、その年の日本シリーズに出場させることはできません。
日本シリーズの出場資格を有する選手は、8月31日時点でその球団の支配下選手であり、その後も引き続き同じ球団に登録されている選手に限られるためです。
この8月31日はトレード期限ではなく、クライマックスシリーズや日本シリーズの出場資格に関係する基準日です。
まとめ
NPBの通常のトレード可能期間は、年度連盟選手権試合シーズン(クライマックスシリーズ)終了の翌日から翌年7月31日までです。
要点を整理すると、次のようになります。
- 通常のトレード期限は原則として7月31日
- 8月1日から年度連盟選手権試合シーズン終了までは原則トレード不可
- 年度連盟選手権試合にはレギュラーシーズンとクライマックスシリーズが含まれる
- レギュラーシーズン終了直後ではなく、クライマックスシリーズ終了後にトレードが再開する
- ウエイバー請求による譲渡は期間制限の例外
- 特別な事情がある年には期限が変更されることがある
- 日本シリーズ開催中は、すでにトレード可能期間に入っている
トレード期限は7月31日と覚えやすい一方、開始日はクライマックスシリーズの日程によって毎年変わります。
関連リンク
野球協約・統一契約書|日本プロ野球機構(インターネットアーカイブ)
野球協約第108条(譲渡可能期限) 今シーズン限定特例措置について|NPBニュース
2022年度クライマックスシリーズに関するパ・リーグ・アグリーメント(抜粋)
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