VB.NETでは繰り返し文が複数用意されています。
- While 条件式 ～ End While
- Do While 条件式 Loop（←本記事）
- Do ～ Loop While 条件式
- Do Until 条件式 ～ Loop
- Do ～ Loop Until 条件式
色々あって「使い方がわからん！」と思う方が多いかもしれませんが、落ち着いて考えれば「なるほど」と思えます。今回は「Do While ～ Loop」の使い方を解説します。
Do While 条件式 Loop
MSDNを見てみると、「Do While 条件式 Loopなんてページ無いじゃん！」と思いますが、Do…Loop ステートメントが見にくい、いえ、見るのには高度な理解力を要求されるため、パッと見て直ぐに理解は難しいと思います。
で、何を書いているかと言うと、「Boolean 条件が True の場合、または条件が True になるまで、ステートメントのブロックを繰り返します。」と書いています。シンプルですね。以上。
はい、これだけでは分かりませんので、もう少しだけ丁寧に説明すると、以下の意味になります。
Do While 条件式 繰り返す処理 Loop
条件式の部分がTrueの場合、ループの中に記載した処理、つまり繰り返したい処理が実行されます。1週するごとに条件式を判定して、Trueであれば繰り返すという仕組みです。例えば、条件式が「a = c」という式で、aの値も、cの値も「1」だとすると、Do Whileの中に入ります。
尚、無限ループを作りたい場合は以下の様にすれば作れますが、基本的にはやらないでください。
Do While 1 = 1 繰り返す処理 Loop
もし間違ってデバッグで上記を実行した場合は強制終了、exeで無限ループが発生した場合はタスクマネージャーから強制終了するなどして止めて下さい（というか無限ループはやらないでね）。
使い方例
Do While ～ Loop の実行確認をするために、サンプルのフォームを作ってみました。
開始値と終了値を入力し、実行ボタンを押すと、終了値までに1つずつ値を増やしていき、増えていった分だけ文字列を結合するという検証用のフォームです。例えば、
- 開始値：1
- 終了値：5
という場合、実行ボタンを押すと、結果が12345になります。ソースは以下。
Private Sub cmdDoWhileLoop_Click(sender As Object, e As EventArgs) Handles cmdDoWhileLoop.Click
Try
'テキストボックスに入力された値をInteger型の変数に代入
Dim intStartValue As Integer = Integer.Parse(txtStartValue.Text)
Dim intEndValue As Integer = Integer.Parse(txtEndValue.Text)
Dim strResult As String = Nothing
'開始値が終了値と同じ値になるまで繰り返し
Do While intStartValue <= intEndValue
strResult = strResult & intStartValue.ToString
intStartValue = intStartValue + 1
Loop
MessageBox.Show(strResult, "結果", MessageBoxButtons.OK, MessageBoxIcon.Information)
txtResult.Text = strResult
Catch ex As Exception
MessageBox.Show(ex.Message)
End Try
End Sub
Do While ～ Loop の部分です。開始値が終了値と同じになるまでループを繰り返します。
'開始値が終了値と同じ値になるまで繰り返し
Do While intStartValue <= intEndValue
strResult = strResult & intStartValue.ToString
intStartValue = intStartValue + 1
Loop
ループ内の処理は「文字列の結合」と「intStartValueの加算」です。実行してみましょう。
開始値に1、終了値に5を入れて、実行ボタンを押下してみます。
はい、1から5の数字が連続して出てきていますね。最後に、結果テキストボックスに入っていればOKです。
Do While ～ Loop の動きを見てみます。
【開始前】
開始値：1
終了値：5
結果出力用文字列：Nothing【1週目】
intStartValue：1
intEndValue：5
intStartValue <= intEndValue なのでDo Whileの中に入る
strResult に 1 を入れる（代入後のstrResult の中身：1）
intStartValue を1増やす【2週目】
intStartValue：2
intEndValue：5
intStartValue <= intEndValue なのでDo Whileの中に入る
strResult に 2 を入れる（代入後のstrResult の中身：12）
intStartValue を1増やす【3週目】
intStartValue：3
intEndValue：5
intStartValue <= intEndValue なのでDo Whileの中に入る
strResult に 3 を入れる（代入後のstrResult の中身：123）
intStartValue を1増やす【4週目】
intStartValue：4
intEndValue：5
intStartValue <= intEndValue なのでDo Whileの中に入る
strResult に 4 を入れる（代入後のstrResult の中身：1234）
intStartValue を1増やす【5週目】
intStartValue：5
intEndValue：5
intStartValue <= intEndValue なのでDo Whileの中に入る
strResult に 5 を入れる（代入後のstrResult の中身：12345）
intStartValue を1増やす【6週目】
intStartValue：6
intEndValue：5
intStartValue > intEndValue なのでDo Whileの中に入らない
5週目のループの中でintStartValueの値が6になり、6週目のDo While開始前の条件判定で、条件式が intStartValue > intEndValue となったため、ループの中には入りませんでした。
オマケ：事前チェック入れてみる
ここはオマケなのですが、今回、サンプルで作成したフォームにチェック処理を入れてません。未入力や文字列を入れたら落ちます。なので、チェック処理を入れると以下のソースとなります。
Private Sub cmdDoWhileLoop_Click(sender As Object, e As EventArgs) Handles cmdDoWhileLoop.Click
Try
'事前チェック
If String.IsNullOrEmpty(txtStartValue.Text) = True Then
MessageBox.Show("開始値を入力してください！", "入力チェック", MessageBoxButtons.OK, MessageBoxIcon.Exclamation)
Exit Try
ElseIf String.IsNullOrEmpty(txtEndValue.Text) = True Then
MessageBox.Show("終了値を入力してください！", "入力チェック", MessageBoxButtons.OK, MessageBoxIcon.Exclamation)
Exit Try
End If
If IsNumeric(txtStartValue.Text) = False Then
MessageBox.Show("開始値には数字を入力してください！", "入力チェック", MessageBoxButtons.OK, MessageBoxIcon.Exclamation)
Exit Try
ElseIf IsNumeric(txtEndValue.Text) = False Then
MessageBox.Show("終了値には数字を入力してください！", "入力チェック", MessageBoxButtons.OK, MessageBoxIcon.Exclamation)
Exit Try
End If
'テキストボックスに入力された値をInteger型の変数に代入
Dim intStartValue As Integer = Integer.Parse(txtStartValue.Text)
Dim intEndValue As Integer = Integer.Parse(txtEndValue.Text)
Dim strResult As String = Nothing
'開始値が終了値と同じ値になるまで繰り返し
Do While intStartValue <= intEndValue
strResult = strResult & intStartValue.ToString
intStartValue = intStartValue + 1
Loop
MessageBox.Show(strResult, "結果", MessageBoxButtons.OK, MessageBoxIcon.Information)
txtResult.Text = strResult
Catch ex As Exception
MessageBox.Show(ex.Message)
End Try
End Sub
事前チェックに2種類のチェックを入れています。未入力チェックと入力値の数値チェックです。
編集後記
「While ～ End While」と大差はありませんが、「Do While ～ Loop」の方がよく使われています。基本形さえ覚えてしまえば楽なので、サクッと覚えてしまいましょう。
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参考サイト
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