筆者はネットワークビジネスの師匠と何度もアポをしていますが、その度にアドバイスを頂きます。ですが、それは全てのネットワーカーにしているアドバイスのため、筆者にとって全く何の価値もありません。しかしながら、師匠の仰るアドバイスの真意を聞き出しました。本文前半で師匠のアドバイス、本文後半で師匠のアドバイスの意図を紹介します。
ネットワークビジネスの師匠のアドバイス
ネットワークビジネスの師匠は自分のグループのメンバーに金言ともいえるアドバイスをします。師匠によって言い方は少し異なりますが、共通して言えることは以下です。
- 経営者感覚を身に付ける
- 肯定的になる
- 未来への投資を惜しまない
この3つです。それぞれ紐解いて解説します。
経営者感覚を身に付ける
ネットワークビジネスの師匠は経営者感覚を身に付けることをアドバイスして来ます。経営者感覚と言うのは何なのかを師匠に聞いてみたところ、「決断力」「行動力」など、抽象的な言葉を用いて説明しようとします。残念ならが、その辺に売ってそうな自己啓発本に書いているような内容しかアドバイスしてくれませんでした。
肯定的になる
師匠は「批判的な意見を述べず、肯定的になること」とアドバイスします。師匠曰く「肯定的になるということは、他人の意見・主義主張・価値観を認めること」ということです。お手本の様な回答ですね。
未来への投資を惜しまない
師匠は「未来への投資をすれば、人生が豊かになる」と言います。確かに、今の日本の社会情勢は不安だらけです。貧困問題・年金問題・老後など色々と問題が山積しています。しかし、それらは個人の努力次第で何とかなるみたいです。師匠曰く「若いうちから未来への投資を惜しみなくすることで、5年後、10年後、そしてその先の人生が豊かになる」と言っています。教科書の様な回答ですね。
師匠のアドバイスの意図
さて、師匠のアドバイスは正に金言です。確かにその通りです。しかしながら、師匠の意図は何なんでしょうか?ここに、師匠の収入の得る仕組み・方法が隠されています。
経営者感覚を身に付ける=自己責任
経営者というのは、自分で仕事を取って来て報酬を得ます。サラリーマンは与えられた仕事をこなして給料を得ます。師匠はこれをネットワークビジネスに無理矢理置き換えます。
ネットワークビジネスは自分で成約を取って来て報酬を得る事業形態です。行動して成約を取れば報酬を得ることが出来ますが、行動しなければ何も得ることは出来ません。というか赤字です。ネットワークビジネスはサラリーマンの様に仕事を与えられるわけではないので、ディストリビューター(ネットワーカー)は実質的に経営者と同じ状況です。
なんやかんやで師匠は「経営者=ネットワーカー」と言いくるめます。確かに、経営者は自分で行動して仕事を取って来ないと収入がありませんよね。その点においては経営者とネットワーカーは同じです。師匠は「成約が取れないのは行動していないから」と言います。そしてこう付け加えます。
師匠「ただし、結果は自己責任」
確かにそうですね。そうなんですが、師匠は自己責任という都合の良い言葉を使って、人がどうなろうと関係ないと見放すのです。
師匠「成功している人はリスクを背負っている。行動力・決断力のある人だよ。」
筆者「なるほど。勇気を持って決断して、仮に、そのリスクを背負って多大な損失を背負った場合、勧誘した側は責任を取るのですか?」
師匠「もちろん取らないよ。それは自己責任だよね。私たちはあくまでも情報を提供しただけ。こういう手段もあるよと選択肢を与えて、メンバーはそれを選んでいるだけだよ。」
肯定的になる=従順なメンバーを揃えたい
「肯定的になるということは、他人の意見・主義主張・価値観を認めること」と師匠が言うのですが、それは曲解です。師匠が求めているのは、師匠の意見・主義主張・価値観を認める人です。つまり、お金を払ってくれるイエスマンだけを揃えたいのです。
師匠のグループのメンバーは、例に漏れず、師匠の言うことを全て肯定します。師匠に仕込まれているからです。意思統制と同じです。仮に、師匠の意見に対して批判的な意見を述べると村八分にされます。矛盾していますね。師匠も人の上に立つ存在であれば、批判的な意見も肯定すべきです。
未来への投資を惜しまない=お金どんどん使って
師匠は「未来への投資」というフレーズをよく使います。師匠の言う「未来への投資」と言うのは、お金を支払ってもらうことを指します。
例えば、師匠が新しい商材を用いてメンバーに買わせようとします。メンバーとしては、既に高額オートシップとコンサル料を払っているので、懐事情は既にカツカツ、つまりお金がもうありません。しかしながら、師匠は「未来への投資と思って、この新しい商品を使って早く成功しよう」と言います。メンバーは師匠を肯定する必要があるので、「お金が無い」なんて言い出せず、借金をしてでもその商材を買うのです。
先述した「経営者感覚」「肯定的になる」は、全て「未来への投資」、つまり、お金を払ってもらうことにつながっています。経営者感覚という言葉を使って自己責任と植え付け、肯定的になるという習慣を植え付けて師匠の言ってることは全て正しいと錯覚させ、そしてお金を支払ってもらうということです。
まとめ:師匠のアドバイスを実践すれば師匠の懐が潤うだけ
「経営者感覚を身に付ける」「肯定的になる」「未来への投資を惜しまない」、これら全て師匠の収入の仕組みを成立させるため、師匠にとって都合の良いフレーズに過ぎません。こんなアドバイスを聞いていては搾取されるだけです。こんな見え透いた手法で筆者にアドバイスしてくる師匠ですが、筆者は全く響きませんでした。というか、手法を知っているので、時間の無駄です。
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