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SESエンジニアに向いている人・向いていない人を分析

筆者がIT業界に入って10年近くになりますが、ずっとSESエンジニアとして働いています。何度か転職は経験していますが、ポジションはSESで働いています。その間、色々なエンジニアと一緒に仕事をさせて頂き、転職が激しいIT業界において、今もSESエンジニアとして続けている人は意外に多かったです。スキルはあるけど、給料が安いから会社を変えるというパターンですね。一方、IT業界から去る人も多く見てきましたが、ほとんどが新人や3年目くらいの若手でした。

そして、去っていく人を大勢見ていく中で、SESエンジニアに向いてる人、向いていない人が分かってきました。各々の事情があるとは思いますが、明らかに向いてない人は1週間くらい一緒に仕事をしていれば大体分かってきます。もっと人を見る目が肥えている人は、会った瞬間に分かるみたいですが、それは職人の直感みたいなもです。職人技ではなく、今回はSESに向いている人と向いていない人を分析して、パターンをいくつか紹介したいと思います。

SESエンジニアとは

SESエンジニアは、客先出向型(客先常駐型)エンジニアと言われ、所属している会社からお客様先に出向いて仕事をするエンジニアの事を指します。一方、所属している会社で仕事をしているエンジニアはプロパーエンジニアと言います。簡単に言うと、SESエンジニアは下請け、プロパーエンジニアは元請けです。

日本のIT企業で働くエンジニアの大半は、SESエンジニアです。どこの現場に行っても、大体は色々な会社のSESエンジニアが集まって仕事をしています。業界の構造上、仕方のないことですし、今更、構造をひっくり返すとかは到底不可能なことなので、本記事では言及はしません。

SESエンジニアに向いている人

同僚が誰であろうと気にしない

SES業態の現場では大体、1社あたり数人のエンジニアをセットで投入する場合が多いです。X社というSIerの会社にA社からは3人、B社からは5人、C社からは10人出向みたいな感じで、複数人のエンジニアがセットで入るパターンが基本です。しかし、セットで入っても一緒に仕事をするとは限りません。エンジニア各人のスキルがバラバラだと担当する仕事が異なる可能性が高いです。

同じ会社のエンジニアと仕事をしないとなると、他の会社のエンジニアと仕事をすることになります。それでも別に構わないという人は、SESのエンジニアとしてやっていけます。具体例としては、作業を進めていて分からないことが出てきた場合、見ず知らずの人に質問することが出来る人であれば大丈夫です。

一人で現場に入ってもやっていける

SES業態の現場では一つの会社からセットでと先述しましたが、ソロで投入されることもあります。ソロで投入されるとなると、実質フリーランスのエンジニアと変わりません。筆者が数年間はその状態でした。

ソロで出向するとなると、出向先にいる人たち全員が見ず知らずの人です。セットで入っている時は、困ったことがあれば同じ会社の人間にヘルプすればいいですが、ソロだとそれすら出来ませんから、自分の力で何とかするしかないです。

働く場所にこだわりが無い

SESは1~3か月の契約が主流なので、出向先の経営状況によっては契約終了という場合があります。そうなった場合、他の出向先を所属会社から提示されます。仮に、その現場に長期で出向していて、別の現場に行くことになると、新しい現場で新たに成果を出して信頼を上げ、人間関係を構築しする必要があります。そのステップをやり直すことに問題が無く、エンジニアとして仕事をして相応の対価をもらうことを主眼に置いている人であれば、SESエンジニアとして向いています。

SESエンジニアに向いていない人

自分のデスクが欲しい人

内勤サラリーマンの典型として、自分の会社には自分のデスクがあると思う人が多いです。2019年現在、色々な働き方が出現し、自分のデスクを持たない働き方も登場していますが、新卒や若手は社会、特にIT業界の実態を知らない人が多いので、社会人は自分のデスクがあるのが当然という固定観念を持っているのは仕方ないです。

新人・若手のSESエンジニアは自分のデスクがあることに憧れを持っている場合が多いので、SESエンジニアとして働きだしてから理想と現実とのギャップにショックを受けます。最初は頑張って仕事をしますが、やがてSESエンジニアとして自分の現状に疑問を抱き、IT業界を去ることになります。

このパターンの場合、スキル云々以前の問題で、仮に見込みがあったとしても、SESエンジニアとしては長く続かない人が多いです。そんなに自分のデスクを持ちたいという願望を頂いてスキルアップする気が無いのであれば、SESエンジニアとしては生きていけません。

他社のエンジニアを同僚と思えない人

SESエンジニアの場合、他社のエンジニアと接触することがほとんどです。むしろ自社のエンジニアと接触する方が少ないかもしれません。隣の席の人が他社の人なんて当たり前ですが、そこで同じチームの同僚として接するのではなく、他社の人だからと言って他人行儀に接することしか出来ない人はSESエンジニアには向いていないです。

過去、筆者が他社の新人エンジニアと一緒に仕事をすることになった時に、筆者と接する時は畏まって他人行儀なのに、同じ会社のエンジニアと接する時は普通に接しているのを経験したことがあります。筆者だけでなく、他のエンジニアもその新人エンジニアの行動に疑問を持っていました。しばらくして、新人エンジニアの先輩が現場から抜けて、その新人エンジニアはずっと全員に畏まったままで精神的に疲弊してしまい、やがて来なくなりました。筆者含め、周囲のエンジニアは「そんなに畏まらなくていいよ」と接していましたが、当の新人エンジニアは一向に心を開いてくれませんでした。その子の会社の教育方針で強制されているのであれば、それはそれで問題ですが、今となっては後の祭りです。

他社の人だからと言って同僚と思えず一線を引いて接するのであれば、どこかで苦労します。確かに、社会人としてのマナーや会社間の最低限の礼儀は必要ですが、会社が違うからと言って壁を作ってしまうのであれば、時間が経つと息苦しくなります。

まとめ:SESエンジニアに向いてないと感じたら辞めるのもアリ

今回はSESエンジニアに向いている人・向いていない人というテーマで紹介させて頂きました。少し辛辣な記述もしましたが、SESエンジニアに向いているかいないかを見つめなおす機会になればと思います。ただ、覚悟を決めたらSESエンジニアとしては生きていける人は多いと思います。大体は先入観だったり固定観念だったりが先行して、「なんか違うな」と思い込み、せっかく就職したのに辞める人が多いので残念です。ちょっとしたこだわりを手放してみてはいかがでしょうか?