SES(客先出向型)のエンジニアは基本的に客先に出向していますが、当然、自分の所属する会社があります。もちろん、その会社では肩書きがあります。出向先では肩書は無意味に等しい、むしろ足枷になる可能性が大ですが、肩書きが付くと部下を持ちますし、役職手当も付きます。しかし、SES企業にも様々な会社があるので、一概には簡単に出世できるとは言い切れません。ただし、簡単に出世できる会社は見分けることが出来ます。
簡単に出世できるSES企業の特徴
従業員数が少ない
従業員数が少ないSES企業では出世が容易です。何故なら、従業員数が少ないと上長との距離が近くなるからです。逆に従業員数が多いSES企業だと上長の目が届かないことがあり、上長と接触する機会が少ないので、出世のチャンスが少ないです。
離職率が高い
離職率が高いSES企業は出世しやすいです。何故なら、役職を持っている人は、その肩書を利用して他社に転職します。そして、役職の席が回ってくる可能性が高くなります。また、同年代もガンガン離職するので、同年代での出世レースはイージーモードです。
筆者の所属していたSES企業は、新人同期が筆者含めて5人で、2年以内に3人が退職しました。そして、入社2年目で筆者は主任に抜擢されました。もちろん、上長と接触する機会を多くしたので、それなりにはアピールしていますが、会社に残ったもう1人の同期は、特に何もせずとも入社4年目で主任になりました。ちなみに、所属していたSES企業の離職率は年平均30%でした。
創業年数が若い
創業してから間もないSES企業は出世しやすい環境にあると言えます。SES企業でなくとも同じことが言えますが、創業間もないSES企業の場合は、社員に離れて欲しくないので、割と簡単に役職を付けてくれます。ただし、役職手当はスズメの涙程度だと思って下さい。肩書を持たせれば満足する人が多いと足元を見ているので、割と簡単に役職を与えてくれます。給料を上げれば良いと思いますが。
条件が揃えば出世が簡単
上記の条件に全て合致するSES企業を探すことは割と簡単です。従業員数と創業年数はホームページに掲載されています。離職率については正確な数字を調べる事は難しいですが、面接の時に「年間で何人くらい採用していますか?年間何人くらい増加していますか?」と聞けば推測可能です。50人規模の会社が新卒・中途採用含めて年間で10人採用している場合、離職率は20%近くになります。50人を維持するのに、10人採用しているということは、10人近くが離職していると逆算すれば推測可能です。
筆者が所属していたSES企業は従業員数50人、創業年数10年、離職率30%の会社でしたので、20代前半の若手でも役職持ちの人が多かったです。
SES企業で簡単に出世する方法
帰社日にちゃんと帰社する
凄いハードルが低いですが、月に1回程度の帰社日があるので、その日にちゃんと帰社していれば、「帰属意識がある」と上長が勝手に解釈します。帰属意識があると認識されることは、SES企業では重要で、出世する要素の一つです。また、帰社すれば上長と接触する機会があるので、アピールする機会にもなります。
上長のご機嫌を取る
アピールするのが苦手な人は、上長のご機嫌を取りましょう。上長の承認欲求を満たすのです。上長の話を熱心に聞いて、上長の辛さを理解してあげるふりをすれば、勝手に役職の引き上げをしてくれます。その時に少しだけで良いので、「会社の発展に貢献したい」と添えておきましょう。若手であれば、「今はまだ、具体的にどう貢献したいかは決まってないですが」と正直に言えば、勝手に良い印象を抱いてくれます。若手はガッツですね。
30歳くらいの中堅エンジニアの場合は会社貢献の具体的な案(構想)を伝えると好印象を抱いてくれます。「もし私が主任だったら、〇〇ということをして会社に貢献したい」というテンプレートで切り出して、会社発展の具体的な案(構想)を伝えましょう。緻密な案で無くてもいいですが、ある程度しっかりと受け答えが出来るアイデアを持っておいた方がいいです。もちろん、上長が意見してきたら、否定せずに承認欲求を満たしてあげます。
社内イベントに参加する
社内イベントというのは、社内の人間で交流を深めましょうという、言わばレクリエーションです。花見や花火、ボウリングや河原でのバーベキューなど、SES企業は社内イベントを開催するところが多いです。
任意参加なのですが、実は、帰社日と同じように帰属意識を確かめられます。平日の終業後や土日にイベントをすることが多いですが、しっかりと社内イベントに参加しておけば出世ポイントが上がります。
ただし、基本的には自腹です。会社補助は出ません。プライベートな時間と貴重なお金を犠牲にして、帰属意識をアピールしたいという方は非常に少ないです。それを犠牲にして食い込んで来る人が出世できるのです。
帰属意識があるとアピールできれば割と簡単に出世可能
SES企業は基本的に客先出向なので、自社への帰属意識は低いです。月に何日か自社内の案件の応援で帰社することがあれば、「自分の会社はここなんだな」という意識は芽生えるかもしれませんが、SES業態をメインにしている会社は自社案件を持って来れるような営業力も無ければ、自社で案件をこなせる技術力もありませんので、基本的に、SESエンジニアは帰属意識が低いです。しかし、その中で帰属意識があることを上長にアピールできれば出世の道は容易です。